2020年05月14日   皐月(さつき)半ばの浅草は・・・


今回のネオ日記は「窓をあけよう」5月号の記事を転載いたします。

東京では五月半ばになっても緊急事態宣言が続いて外出は制限されています。

コロナ退散!コロナ消滅!とつぶやきながら窓をあけて外を眺めていると

若葉の香りが漂うような爽やかな風が吹いてきます。

そうかもう「立夏」なんだ。今週末は三社祭のはずだ!



宮出し前の静寂

「今年の5月のお祭りは中止なんだ」あたまではわかっているんです。

納得しています。

でもぼくの体が、いや五感が「さあ〜お祭りだよ!」と語りかけてきます。


アマビエさまです。


端午の節句には菖蒲湯に入って、芍薬の花が飾られるともう気分はお祭りです。

5月の浅草では三社祭以外の話をすると聞いてもらえません。

そんな一年で一番大事な命をかけても護りたい三社祭の伝統を

浅草の若い衆が、旦那連中が、そしておかみさんや子供たちまでもが

精一杯がまんを重ねて三社祭の延期に耐えようとしています。


宮入


そしていま僕は亡くなった十八代目中村勘三郎のセリフがあたまをはなれません

「帰ってきた浅草パラダイス」今から11年前の新橋演舞場の公演です。

中村勘三郎、藤山直美、柄本明が舞台狭しと駆けまわる破れかぶれの

超絶喜劇なのに・・・どこか懐かしく少し悲しい物語です。






「ここで男が生きていくためには、突っ張ってけんめいに意気地を張って」

「時には人に突っかかっても、とんがって生きていかなければ負けちまう」

「そうでもしなくっちゃ生きていけないんだこの浅草じゃ!」

売れないたいこ持ち勘三郎がすべてをのみ込んで、切った「たんか」が泣かせます

浅草は人情味あふれる街だ。だからこそそこで生きていく男は

強い矜恃(きょうじ)を心に秘めていないければならない。

それでこその三社祭であり、浅草の歳時記にはその心情が

顔をのぞかせるのだと思う。

そうは言ってもこころの弱い僕にはなかなか難しい、

薫風にこころが震えてきてしまいます。

「皐月なかばの浅草は、勇みで名高き三社祭」

できれば三社祭は風薫るなか、爽やかに行いたいものです。



仲見世 文扇堂四代目 当主荒井修さんから三社祭に作っていただいた扇子です
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